マットレスを選ぶとき、中身の素材でつまずく人は多いと思います。
高反発ウレタン、低反発、ポケットコイル、ボンネルコイル、ファイバー、ラテックス。
名前だけ並べられても判断できません。
この記事では、そのうち私が実際に使った2つに絞ります。
- 高反発ウレタン(モットン・2017年8月から9年)
- 高密度連続スプリング(フランスベッド・2026年9月から)
※紹介している商品は自分で購入したものです。メーカーからの提供は受けていません。
最初に、この記事の限界を書いておきます
高密度連続スプリングについて調べていて、困ったことがありました。
この構造は、国内でフランスベッドしか作っていません。
公式にこう書かれています。
高密度連続スプリング®マットレスは、厳しい品質管理のもと 国内で唯一、フランスベッドだけが生産しています。
(出典:フランスベッド公式。2026年9月23日に確認)
つまり、この素材の構造や耐久性の説明は、主にメーカー発信のものです。 「ポケットコイルよりサビにくい」という比較も公式に載っていて、約10年使用後の状態を並べた写真まで公開されています。 ただしそこには「※当社比」と書かれており、標本数・使用環境・独立した試験機関・原本の報告書までは確認できませんでした。 独立した第三者による比較データも、今回の調査では確認できていません。 (出典:フランスベッド公式 通気性。2026年9月23日に確認)
なので、この記事の「高密度連続スプリング側」の説明は、メーカーの主張と私の体感です。
中立的な検証を経た事実ではない、という前提で読んでください。
一方、高反発ウレタンのほうは複数メーカーが作っているので、比較情報があります。
この非対称さ自体が、この2つを比べるときの実情です。
構造:何が違うのか
| 高反発ウレタン | 高密度連続スプリング | |
|---|---|---|
| 中身 | ポリウレタンを発泡させた一体成型ブロック | 1本の鋼線を継ぎ目なく編み上げた中空一体構造 |
| 支え方 | フォーム全体の反発力で支える | 荷重が隣のスプリングへ伝わり、面で分散する |
| 作っているところ | 多数 | 公式いわく「国内で唯一」 |
| 厚み(実例) | モットン 10cm | レガシー 34cm |
| この2つの価格 | 私が払った 1台 47,300円(2021年・SD) | 公式価格 399,300円(SD・ハード) |
構造の出典はフランスベッド公式です。
「素材の価格帯」として一括りにはできません。 高密度連続スプリングのマットレスは、メーカーの価格表でSS 198,000円〜から S 1,114,300円〜まであります。 (出典:フランスベッド公式 商品一覧。2026年9月23日に確認) この記事が比べているのは、あくまで私が実際に買った2つです。
モットンの公式販売ページに、そのまま書いてあります。 シングル:厚さ100mm×幅970mm×長さ1950mm、製品重量 約7.5kg セミダブル:厚さ100mm×幅1200mm×長さ1950mm、製品重量 約9.0kg (出典:モットン公式販売ページ。2026年9月23日に確認)

厚さは3.4倍、価格は約8倍です。
同じ「マットレス」という言葉で呼ぶのが少し無理があるくらい、別の製品です。
9年使って分かった、高反発ウレタンの実情
ここは実体験で書けます。
良かったのは、軽さでした
これは使ってみないと分からない部分でした。

シングルで約7.5kg、セミダブルで約9.0kg。 1人で立てかけられたし、動かせたし、処分もしやすかった。 9年のあいだ、この軽さは毎回効きました。
同じセミダブルで比べると、NELLは26.2kg、エマは22.7kg(どちらも公式スペック)。モットンの9.0kgとは3倍前後の差です。
NELLは公式FAQに「搬出できない場合は返品・返金不可」とまで書いています。
ただし搬出できるかどうかは重さだけでは決まりません。 厚みと、階段や踊り場の寸法のほうが効く場面もあります。「軽ければ全部解決」とは書けません。
そして耐久性
私の初代モットン(2017年購入)は、9年目の今も来客用として現役です。
一般に「高反発ウレタンの寿命は6〜8年」と言われます。
ただし、この数字の一次データは見つけられませんでした。 比較サイトが似た数値を横並びで載せているだけで、誰が何を測ったのかは書かれていません。
私の個体は9年もっています。
体重・使う人数・環境で、もち方は変わります。実際に厚みを測った結果は、モットンのへたりを9年もので実測した記事にまとめました。
弱点は通気性です
フォームが空気の通り道を塞ぐので、コイル系より不利とされます。
実際、フォーム系ブランドの口コミには、熱がこもる、カビが生えたという声が出ています。
ただし、モットンは対策を公式に説明しています。
従来のウレタンフォームよりも発泡する泡の大きさを調整することで、夏場・冬場を問わず高い通気性を実現し
(出典:モットン公式FAQ)
対策はされている。そのうえで一般論として不利とされている、という状態です。 2つの通気性能を同じ条件で測ったデータは、確認できませんでした。
モットンを9年・2世代使った記録は、別の記事にまとめています。

高密度連続スプリング側は、まだ評価できません
フランスベッドのレガシーは2026年8月に買い、9月に届いたばかりです。まだ使い始めて数週間しか経っていません。
耐久性について何か言うには短すぎます。
しかもメーカー自身が、買った直後の沈みについてこう説明しています。
ご使用の初期段階でも、同じ箇所に荷重がかかることによる表面の初期的なたわみ(沈み)がある程度発生致します。この現象は、詰物間の空気が抜け、詰物同士が密着して馴染むことから発生する自然な初期馴染みです。
同じページには、こうも書かれています。
マットレスの寿命とも言えるスプリング部分のヘタリは、寝室環境・使用者の体重などにもよりますが、相当長い年月のご使用でないと殆ど発生しません。
(出典:フランスベッド公式サポート。2026年9月23日に確認)
どちらもメーカー自身の説明です。確かめるには時間がかかります。
書けないのは「長期の耐久性」です。 初期の寝心地や取り回しは、数週間でも分かります。 ただへたりについては、メーカー自身が「初期馴染み」と説明している段階なので、ここで数字を出す意味がありません。 この記事は、3ヶ月後・1年後に追記します。
素材としての評価は、年単位で使ってから書き足します。乗り換えた直後の寝心地の変化は、別の記事にまとめています。
選ぶときに効いてくる、たった2つの軸
素材のスペックを並べても、たぶん選べません。
9年使ってみて実際に効いた軸は、2つでした。
軸1:動かすか、動かさないか
素材全体の話ではなく、私が使った2台の話として読んでください。
| モットン(SD・9.0kg) | レガシー(SD・34cm) | |
|---|---|---|
| 立てかけて干す | 1人でできた | 私には現実的でない |
| 部屋の模様替え | 1人で動かせた | 2人がかり |
| 引っ越しで持っていく | 軽い | 重い |
| 処分 | しやすい | 大変 |
フランスベッドは「時々マットレスを立て掛けて」と案内しているので、できないという意味ではありません。私の環境では現実的でなかった、という話です。
これは「寝心地」の話ではなく「生活」の話です。 そしてマットレス選びの記事は、ここをほとんど書きません。
軸2:何年使う前提が立っているか
10cm・約4.7万円のものと、34cm・約40万円のものを同じ土俵で比べても仕方がありません。
分かれ目は素材ではなく、使用年数の前提です。

私は2017年から2021年まで4年、2021年から2026年まで5年で買い替えました。
どちらも「へたったから」ではありません。 初代は子どもが生まれて引っ越したから。2代目は睡眠に投資すると決めたからです。 その9年間、軽さは毎回効きました。 そして2026年に「もう当面動かない」と判断できたので、重い側に移りました。
まとめ
- 高密度連続スプリングの構造・耐久性の説明は、主にメーカー発信。独立した第三者の比較データは今回の調査では確認できなかった
- 高反発ウレタンの実質的な強みは「軽さ」(シングル7.5kg)。通販マットレスの多くは20kg超で、返品時の搬出が問題になる
- 私の初代モットンは9年目で現役。「寿命6〜8年」という通説の一次データは見つからなかった
- 高密度連続スプリング側は長期の耐久性をまだ評価できない(使い始めて数週間・メーカー自身が「初期馴染み」と説明している)
- 選ぶ軸は素材スペックではなく、「動かすかどうか」と「何年使う前提が立っているか」の2つ
返品の条件を6社分で比べたものは、マットレスの返品保証を6社で比べた記事にあります。
各社の「10年保証」が実際は何を保証しているのかも、別に整理しました。


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